
[Bさん]
「今回のエクササイズで、最も顕著な変容を示した中の一人である。彼女自身の口からも、クラスメイトの別の面を知ることができてよかったという言葉が出ている。彼女は、9月に転入してきたばかりで、今の学級の仲間とは表面的なつきあいしかできていなかった。このことが、SGEによる効果を高めた大きな原因であると思う。しかも、転入してから、学級の中での人間関係がうまくいっていたとはいえず、他の「気になる生徒」と同様に、自分の殻に閉じ込もる傾向があった。今回のSGEの実践によって、それをこわすことができたのだと思う。』
<エクササイズ中の生徒・学級の様子>
この実践では、私がリーダーとして、エクササイズを展開し、学級担任の先生に、エクササイズ中の生徒の様子を観察してもらいました。その観察の記録や担任としての感想を中心に、エクササイズの中での、生徒および学級全体の様子をまとめてみました。なお、第4回のエクササイズでは、養護教諭の先生が授業の様子を参観していたので、その先生の感想も載せておきます。
[第1回(ウォーミングアップ)]
生徒たちにとって、今までしたことのない「経験」をすることができ、非常に楽しそうであった。ふりかえりをしていて、上気したような表情が新鮮な感じであった。今後も、このように「わくわくする」ような活動が継続できたら、生徒や教師の心に大きな変化がもたらされるだろうと思った。担任としては、一部まだかたくなな行動をとっている生徒が気になったが、「もう一押しで変化するな」と思えた。
[第3回(親切カード)]
担任が「気になる生徒」の一人であるS子が普段の学級の生活では、敬遠しているT男に対して、「親切カード」を一生懸命書いていた。この日、T男は風邪をひいて欠席していたので、特にT男に書く必要はなかったのだが。仲間からもらったカードを、他の人に見せる生徒がいるのが気になった。カードは、大切に保存させたい。
[第4回(友を支え、友に支えられる)]
「支える、支えられる」という実際の行為が、体験できてよかったと思う。観念的なことでなかったのがとてもよい。「気になる生徒」の」人であるC男が、「体がふわふわした!」と喜んでいた。彼にとっては、これまで身体的接触を仲間ともった経験が、非常に少なかったからだろうと思う。最後の「ふりかえり」のところでは、担任の予想通り、二つの班の雰囲気が暗かったのが残念であった。普段の人間関係がそのまま出てしまった。しかし、残りの四つの班は、大変楽しそうにふりかえりをしていて、上気したような表情が新鮮な感じであった。
「養護教諭の感想」
導入部分で、相手の目を見て、「心でよろしく」と伝える握手を生活班で行なったが、男女いやがらずに、とても自然にできていたところから驚いた。二人組の「頭をゆだねる」のところでは、リラックスしていて、ほとんどの生徒が、お互いを信頼してできたと思う。BGMがとても効果的だったと思う。体を持ち上げられることには、ちょっと照れがあり、全身の力をぬくのは難しかったようだが、時間がもう少しあって、慣れてくるとできるようになるのではないか。私自身が、持ち上げられているとき、私を支えてくれている生徒たちの「手の温かさ」が伝わってきてうれしかった。
[第6回(ブラインド・デート)]
ブラインド・デートの女子の記入用紙を読む男子の姿が真剣で、静かであったのが意外な感じであった。このエクササイズでは、学級の仲間の知らない面や、知っているところを読み上げて、みんなで確認する楽しさがあ
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